全集中 馬の呼吸|2020.12.30
今日は今年の仕事納め
しかも超問題のある子です
最初に会ったのは半年前
その時はちょっとシャイだったけど
普通に触らせてくれていました
しかし、半年後に再会したとき
人に触られることを非常に警戒する馬になっていました
何か嫌なことを経験したのかもしれません
馬は草食動物なので
通常、攻撃的な行動はしません
攻撃する前に逃げるからです
「逃げられない」
と
判断したとき
初めて攻撃します
ですから
私が施術するときは
馬を繋ぐようなことはしません
リードロープのみで馬房の中を自由に動くことが出来るようにしておきます
馬が施術中
何か不快を感じたら
私から離れるので
それを察知すれば
全く危険はありません
しかし
3000頭に1頭くらいの割合で
逃げる前に攻撃してくる馬がいます
今日のクライアントさんが
そのタイプの馬でした
触れようとすると
耳を絞って威嚇してきます
このような馬には
慎重に対応しなくてはいけません
まず私の体を低くして
呼吸を馬に合わせます
ゆっくりと馬の警戒心が解け
呼吸が合ってきたな
と、感じたとき
何やら馬房の外から人の話声が聞こえ
せっかく整えた馬房内の空気が壊れてしまいました
馬の心拍数も上がってしまいました
・・・・仕方がありません⤵
また始めから
馬と呼吸を合わせることに集中します
呼吸が合ってきて、馬が落ち着いたとき
やっと肩と前肢を触らせてくれました
しかし、一番の問題である左腰部に手を伸ばそうとすると
拒絶します
ここに強い痛みがあることは間違いありません
強引に触ると
非常に危険な状態になることでしょう
おそらく暴れて
私が襲われるだけでなく、この馬も自爆してしまう可能性があります
ですから無理はせず
人参ストレッチで可動域を広げました
今年、流行った「鬼滅の刃」という映画
この中で「呼吸」は
重要な役割ですが
私が仕事をする上でも
「呼吸」は最も重要なポイントかもしれません