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クラニオ・セイクラル・セラピーとは|2019.11.20

ホースメッセでクラニオ・セイクラル・セラピーのシンポジウムを行います

それに伴いパネリストのひとり

ウィンザー直子さんが

クラニオ・セイクラル・セラピーについての説明文を書いてくださいました

 

 

 

 

馬は、500㎏以上の大きな身体を持ったパワーフルな生き物です。その一方で、極めて繊細な五感の感受性を持っていることは、日常馬に接している皆さんが一番よく承知していらっしゃる事実だと思います。そこでここでは、馬に身体的な力で働きかけるのではなく、馬の繊細さな感覚に働きかける療法がいかに有効か、それをご一緒に体験したいと思います。

 クラニオ・セイクラル・セラピー(頭蓋仙骨療法)は、従来の身体マッサージの方法と大きく異なり、静かで穏やかなタッチにより、受け手の身体の深部のリズムにシンクロして行くことで、身体の深部のバランスを取り戻し、私たちが本来持っている自然治癒力を高めることを目指しています。この療法は、1970年代、アメリカ人のウィリアム・サザーランドによって考案されたボディワーク、代替療法の一つです。

 私たちの大切な脳はクラニオ(頭蓋骨)で守られているのですが、この頭蓋骨は実はひとつの骨ではなく、23個の骨で縫合により組み合わさっています。そして、この頭蓋骨は硬く動かないものだと多くの人に思われていますが、実は1分間に6~12回のリズムの微細なリズムで振動しているのです。さらに、この頭蓋骨の内側は硬膜という膜で覆われていて、硬膜の内部は脳脊髄液という液体で満たされています。そのため、この頭蓋骨の微細なリズミカルな動きは、この硬膜に覆われた脳脊髄液を通して、身体の下部、背骨~セイクラル(仙骨)まで伝わっているのです。そのため、様々な要因で頭蓋骨のリズミックな動きが阻害されると、頭蓋骨の微細な構造的な歪みを生じ、それは硬膜と脳髄液を通して、仙骨にまで影響が及ぶことになります。

 これは、人間に限らず、頭蓋骨と脊髄をもつ哺乳動物に共通の現象です。特に馬は、古来より人間と生活を共にし、人間のために様々な状況で働いて来ています。特に乗馬という状況では、口にはみをつけ、背中に人を乗せることで、頭蓋骨と背骨・仙骨に大きな負担を強いられています。馬の悪癖と言われている旋回癖・熊癖・ヘッドシェイキングなども頭蓋骨、顎関節の歪みが原因となっていることが少なくありません。また、腰痛はほとんどの競走馬、乗用馬に見られる共通の症状で、背骨・仙骨の歪みが大きな要因と考えられますが、頭蓋骨の歪みから来ていることが多々あるのです。このような考えから、エクイン・クラニオ・ライクラル・セラピー(馬の頭蓋骨療法)を実践しているセラピストの一人がモーリーン・ロジャーズ(アメリカ)です。

 私たち(馬屋原とウィンザー)二人は、偶然にも(それは必然かも知れませんが)、長く人へのセラピーと同時に、馬へのセラピーを実践してきました。その結果、この頭蓋骨療法が、人にだけでなく、馬の身体的・構造的バランスと健康を取り戻すのにかなり有効であるということを、強く実感しています。

 このシンポジウムで、ご一緒にクラニオ・ライクラル・セラピー(頭蓋骨療法)を少し体験・実感してみましょう。ご自分の身体の内側の微細なリズム・エネルギーの感覚を実感されたら、明日厩舎に帰って、あなたの馬へのアプローチがきっと変わっていることでしょう。

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