飼葉こぼしてませんか?|2018.06.13
飼葉桶に入ったエサを
鼻先でこぼれさせて地面に落として食べている馬は
少なくありません
以前の私は
呑気に「馬の遊び」だと思っていました
確かに鼻先での遊びとして
エサを振り撒くこともあるでしょう
しかし一方で
エサを振り撒く馬の多くが
唾液腺が腫れていることに気が付きました
唾液腺とは耳下腺・顎下腺・舌下腺からなり
馬の場合、耳下腺からのものが70%を超えます
唾液は飼料の咀嚼を潤滑に嚥下し易くする働きがあります
その唾液腺が腫れているということは
充分な唾液が口腔内に届いていないことを意味しています
本来なら馬は地面に生えている草を
ほぼ1日中ムシャムシャと食べる生活を送ります
ですから当然唾液も出し続けることになります
唾液は下方を向いたときに出しやすくなる構造にもなっています
しかし人に管理されている馬は食事の時間が決められ
また「飼葉桶に肢を引っかけると危険」という観点から
地面には置かず壁や天井から吊るされたりしています
エサを飼葉桶から地面に振り撒き
落ちたものを食べるのは
その方が唾液が潤滑に出て食が進むからではないでしょうか?
もし愛馬の唾液腺が腫れていたら
顔を下向きにしてマッサージをしてあげると良いかもしれません
顎の裏にある耳下腺はとてもデリケートなので
ほとんどの馬が警戒します
顎から下顎にかけてのラインを優しくマッサージすると
喜ぶ馬は多いです
馬の行動はストレスやトラブルを見つけ出すことが出来ます
また反対に「この馬はこんな馬」と決めつけてかかるとサインを見逃してしまいます
思考が左脳に偏ると、その危険があるようです
今月号の馬ライフは右脳と左脳のバランスを整える
エクササイズをご紹介しています