矢野先生の育成論|2017.11.07
私の師匠、矢野幸夫先生が整体師として、私を後押ししてくださった理由の一つに
「私が女性だから」ということがあります
矢野先生は
「馬を育てるには女性的愛情と男性的愛情の両方が必要」というお考えの方でした
ですから競馬界はもちろん馬社会にもっと女性が参入するべきだと。
今でこそ「女性脳」「男性脳」という言葉が当たり前に使われていますが、まだ女性の社会進出が珍しかった昭和の中頃からこの思考をお持ちだったのは、凄いことかもしれません
「一人の人間が男性性と女性性の両方を持つように努めたらいいのでは?」
と質問すると
「男は無理だね」
と、バッサリ
男性は女性のように「受け入れること」は難しいという先生の意見でした
女性は男性のように「厳しくすること」は難しいと私は感じます
男性的な愛情は慈愛
我が子の成長のためには、崖から突き落とすような厳しい愛です
女性的な愛情は悲愛
どんな状況になっても我が子を受け入れ見守る愛です
この2つが合わさると「慈悲」となります
まだ整体師としての経験が浅い頃、ヤンチャな馬に出会ったとき、優秀な厩務員さんのマネをしてみたことがありました
声のトーンや目つき、仕草などを思い出しコピーを試みましたが、かえって反発されてしまいました
まったく上手くいきません
おそらく、その優秀な厩務員さんは男性だったので「エネルギーの質」が違うからではないでしょうか?
男性は「陽」のエネルギー
女性は「陰」のエネルギーです
それよりも、「肝っ玉かあさん」をモデリングした方が上手くいきました(笑)
もしあなたが女性なら
馬に乗っているときは男性的なリーダーシップは不可欠でしょう
しかし手入れや治療を行うとき
男性のマネなどせずに、女性エネルギーを全開にしたほうが
馬と良いコミュニケーションをとる、近道になるかもしれません