続・昭和のカリスマ厩務員|2017.11.07
担当した馬を3日で変化させてしまう敏腕厩務員さんの話の続きです
その方がやっていた胸前と脇のマッサージは、血行を良くしただけではありません
馬の自尊心を取り戻したのです
そのため、たった3日で馬体だけでなく顔つきまで変わるのです
馬は生まれてから様々な人に関わって成長していきます
その中で成績が思うように上がらなかったり、関わった人との相性が悪かったりして、冷遇される馬は多いものです
だんだん覇気がなくなったとしても、当然でしょう
この敏腕厩務員さんは重賞をとるスターホースも未勝利馬も同じように手をかけます
これは意外と出来そうで出来ないことです
賞金を稼ぐ馬の方に労力を注ぎたくなるのは、人情かもしれません
「気持ちよくしてもらう」と「大切にされている」と感じるものです
「この人に大切にされている自分は価値がある」と自信に繋がるのではないでしょうか?
私の場合
「性格が屈折してるな」と感じる馬に出会うと、子供の頃のその馬を想像してみることにしています
お母さんのおっぱいを飲んで、放牧場で遊ぶ日々
人間に敵意が全くなかった、その馬をイメージします
こんなにひねくれるなんて、きっと辛いことがたくさんあったんだろうなぁ・・・
大変だったんだろうなぁ
それなのに調教、頑張ってるんだなぁ・・・偉いなあ・・
だんだん尊敬と感謝の気持ちが芽生えます
するとイメージする前より、その馬が「何をされるとイヤなのか」敏感に感じ取れるようになるから不思議です
徐々に波長が合っていき、気持ちいい場所が見えてきます
「尊敬」の気持ちがあると馬から信頼される気がします
また
「尊敬」の気持ちをもつことで、「適度な距離間」を保つことも出来ます